ホーム > 同窓会 > 俳句同好会 > 第16回「蘇鉄の会」ご報告と次回(R3/3/6)開催のご案内
(2020/12/23) 担当:長島 公子 (事務局、19期)
俳句同好会 第16回 蘇鉄の会 報告
2020年12月5日(土)、初冬の殿ヶ谷戸庭園にて開催予定の第16回「蘇鉄の会」は、新型コロナウイルス感染症予防のため、密となる会合を回避してWeb上で行いました。今回の参加は、講師を含む投稿者9名、全36句です。
城下洋二 講師 句
城下洋二 講師選
兼題「時雨」
特選
島影に小舟の急ぐ瀬戸しぐれ 博石
並選
猫二匹軒下で待つ夕時雨 真砂
当季雑詠
子犬一匹家族に加え冬ぬくし 孝枝
小柴さん宙に還りし秋の暮 徹
ひとつづつ蜜柑摘む音軽やかに 博石
北壁に夕日眩しき暮の秋 南行
茶の花や園の一隅明るくす 孝枝
米粒を嘴に付け寒雀 南行
旧友に文書く窓辺冬の月 真砂
【選外選評】
特選、並選には選ばれなかった句で、若干添削をしてみました。
参考にしてみて下さい。
…………………………………………
時雨降る心も濡らすコロナの今 (まさ)
語順を変えるだけで下の字余りを消すことができます。
(添削例)
コロナ禍の心も濡らす小夜しぐれ
俳句はなるべく動詞を少なくする方が、説明的でなく、リズムが
良くなります
クリスマス個々に用意し孫四人 (良)
「用意し」と入れることで、句全体が説明的になりますし、何を用
意したのか分からないので、省略した方がいいでしょう。俳句は基
本一人称の文学なので、特段書かなければ、なされた行為は作者自
身ということになります。用意したのが贈り物という風に解釈して
添削してみました。
孫四人個々にサンタの贈り物
うたた寝のふと顔上げて時雨聴く (龍彦)
中七の「ふと顔上げて」が不自然に思えます。
「時雨聴く」の表現はいかにも静かな雰囲気を醸し出しています。
(添削例)
うたた寝の覚めて枕に聴く時雨
【講評】
今回追悼句がありましたので、一言。
追悼句で大切なのは一つには、その人の業績や人となりを表すこと、
もう一つは亡くなった人に相応しい季語を贈ることです。
過去の名句をいくつか挙げておきます。ご参考にしてください。
碧梧桐追悼
たとふれば独楽のはぢける如くなり 高浜虚子
悼斉藤茂吉先生
残雪や「くれなゐの茂吉」逝きしけはひ 中村草田男
芥川龍之介の長逝を深悼す
たましひのたとへば秋の螢かな 飯田蛇笏
十月未明に発たれたれば 莫山先生
お柩の丈に秋明菊剪らむ 黒田杏子
十二月十日 小沢昭一先生
ひとり芝居の八十余年しぐれ虹 黒田杏子
………………………………………………………………………………………………
第16回「蘇鉄の会」互選結果 ( )内数字は得票数
島影に小舟の急ぐ瀬戸しぐれ 博石 (5)
しぐるるやふる里とほしけふもなほ 徹 (1)
うたた寝のふと顔上げて時雨聴く 龍彦 (1)
猫二匹軒下で待つ夕時雨 真砂 (1)
時雨るるも家庭菜園散水す 良
時雨降る心も濡らすコロナの今 まさ
コロナ禍に震える会議初時雨 南行
時雨るるや鉛筆2B苦吟せり 孝枝
子犬一匹家族に加へ冬ぬくし 孝枝 (5)
米粒を嘴に付け寒雀 南行 (3)
新しき住まいに飾る寒椿 真砂 (3)
旧友に文書く窓辺冬の月 真砂 (3)
北壁に夕日眩しき暮の秋 南行 (2)
ゆく秋や徒然草を道連れに 博石 (1)
寒立ちの馬にしあらめ除夜の鐘 龍彦 (1)
茶の花や園の一隅明るくす 孝枝 (1)
初釜や背筋正して山呑まむ 龍彦 (1)
ひとつづつ蜜柑摘む音軽やかに 博石 (1)
衣かつぎほどよきサイズ熱燗で 龍彦 (1)
鶺鴒の飛沫を浴びて石叩く 博石 (1)
甘きかな小さき蜜柑ふるさとの 真砂 (1)
晩秋やこの時だけの装いを まさ
共演す鰯雲に飛行機雲 徹
青空に皇帝ダリア映え映えと 良
裸木となるカエデの小さき命見る まさ
クリスマス個々に用意し孫四人 良
小柴さん宙へ還りし秋の暮 徹
ひとしきり落葉の洗礼受けており 孝枝
冬の風揺れる杉玉みずみずし まさ
シラス漁秋も漁期や斎灘 徹
落ち葉掃き腐葉土作り春を待つ 良
窮すれど小春日和は長閑なり 南行
以上
第17回「蘇鉄の会」ご案内
日時:2021年3月6日(土)(時間は未定)
御題:兼題「木の芽」1句及び当季雑詠3句 計4句
場所: (未定)
参加費:5千円(予定)
選評講師:城下洋二先生
参加申込:2021年2月25日(木)迄にお申込み下さい。
「蘇鉄の会」会員は既に予約数に入っています。
欠席される場合は上記期日までに、下記長島までご連絡下さい。
※あらかじめメールにて俳句の投稿を受け付けます。
投稿締切:2021年2月25日(木)
投稿方法:兼題1句と当季雑詠3句
メールにてお送り下さい。
sato-nagashima@coast.ocn.ne.jp
ワード文書でファイル添付又はメールべた打ちでもOK。
尚尚
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