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(2021/04/13) 担当:長島 公子 (事務局、19期)
俳句同好会 第17回 蘇鉄の会 報告
2021年3月6日(土)、春の築地市場アトリウムにて開催を予定しておりましたが、諸事情により今回もWEB上での開催となりました。今回の参加は、講師を含む投稿者8名、全33句です。
城下洋二 講師選
兼題「木の芽」
【特選】
一と日づつ木の芽吹きたり陽の光 徹
(講評)「風光る」という季語があるように春の日の光は柔らかく明るい。
そして日一日と木の芽が膨らんでゆきます。
木の芽時の季節感を大きくとらえたところがいい。
【並選】
猫の行く木の芽ふくらむ谷中みち 真砂
(講評) 谷中という地名が効いている。
朝陽浴び木の芽の先に蒼き空 南行
(講評) 折角の素晴らしい光景が叙述的、説明的になっています。
「朝陽浴ぶ木の芽の先の蒼き空」
とすれば写真のようにその一瞬の光景を定着できます。
東雲の犬に引かるる木の芽道 博石
(講評)爽やかで健康的な日常
当季雑詠
想い出に期限などなし春の星 孝枝
(講評)いつまでも想い出にしがみついているという悪口もありますが、
それに対して人それぞれと開き直った感じが面白い。
春の星でその思い出が潤いを帯びたものだと思わせます。
チェロ響く上野の森に春の月 真砂
(講評)きれいな光景です。ちょっと材料が整い過ぎているような気もしますが・・・。
霜柱地中に城を築きけり 博石
(講評)幼い頃霜柱を見て、地中帝国などを夢想したものです。
城を築きけりと断定したところがいい。
梅の蘂競いて空に背比べ 博石
(講評)細かいところに焦点を当てて、適格に描写しています。
菜の花の供花子規に添ふ母の墓 孝枝
(講評)「添ふ」が分かりにくいです。
多分子規の墓の側に母の墓があるという意味なのでしょう。
だとすれば
「菜の花の供花子規の墓母の墓」
とすればすっきりとするのではないでしょうか
冴え返る一筋の雲里帰り まさ
(講評)里帰りが冴え返るようで里帰りそのものにドラマがあるように感じられて面白い。
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第17回「蘇鉄の会」互選結果 ( )内数字は得票数
東雲の犬に引かるる木の芽道 (3) 博石
猫の行く木の芽膨らむ谷中みち (2) 真砂
木の芽張る樹木の明るさ神の杜 (1) 孝枝
朝陽浴び木の芽の先に蒼き空 (1) 南行
木の芽みそ熱燗片手に田楽とうふ 龍彦
木の芽和え時候の挨拶朝の膳 まさ
チェロ響く上野の森に春の月 (4) 真砂
思い出に期限などなし春の星 (3) 孝枝
霜柱地中に城を築きけり (3) 博石
梅が香に連れ添ふ旅や夢の朝 (2) 徹
まどろみて雲の枕かふきのとう (2) まさ
東(ひんがし)の稜線燃え立つ刻(とき)待てり (1) 龍彦
梅の蕊競いて空に背比べ (1) 博石
烏瓜つる一本の命かな (1) 南行
蠟梅や枯れた蕾を囲む朝 (1) 南行
春寒に母の形見のスカーフ巻く (1) 真砂
鴨の群れ行く手はいづこ夕日影 (1) 徹
冴え返る一筋の雲里帰り (1) まさ
鉢の木に枝ゆれ残るメジロかな 龍彦
日記買ふ昭和を遠く置いてけり 徹
揚雲雀垂直飛びの技冴えて まさ
吊し雛息通はせばしくと揺れ 孝枝
すれ違ういぬ着膨れてとりどりに 龍彦
近づけば桜にあらず真弓の実 博石
とぼとぼと老犬を引く冬の朝 南行
ひっそりと里帰りなき雛祭り 真砂
第18回「蘇鉄の会」ご案内
日時:2021年6月5日(土)
御題:兼題「蝸牛(かたつむり)」1句及び当季雑詠3句 計4句
選評講師:城下洋二先生
集合場所:(新型コロナの状況により、現在のところ、WEB開催予定)
投稿締切:2021年5月30日(日)
投稿方法:兼題1句と当季雑詠3句
※あらかじめメールにて俳句の投稿を受け付けます。
下記メールアドレス迄お送り下さい。
sato-nagashima@coast.ocn.ne.jp
ワード文書でファイル添付又はメールべた打ちでもOK。
「蘇鉄の会」会員募集:上記メールアドレスにお申込み下さい。
入会資格:愛媛県県立松山北高校卒業生
年会費:5,000円(振込先は別途ご案内)
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