ホーム > 同窓会 > 俳句同好会 > 第18回「蘇鉄の会」ご報告と次回開催のご案内
(2021/06/16) 担当:長島 公子 (事務局、19期)
俳句同好会 第18回「蘇鉄の会」報告
未だ緊急事態宣言下の東京都、令和3年6月5日(土)に開催を予定していた第18回「蘇鉄の会」でしたが、新型コロナウイルス感染症収束の見通しのない状況が続いているため、今回もWEB上での開催となりました。
対面でのコミュニケーションが制約される毎日が続いておりますが、「俳句」は無限のイマジネーションの世界……。「五・七・五」は、多彩に多様に縦横無尽の拡がりと繋がりを生み出します。
全国の松山北高校同窓生の皆様、どうぞお気軽にご参加ください。
今回の参加は、講師を含む投稿者9名、全36句です。
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【選評と講評】 城下洋二 講師
<特選>
校庭に生徒整列楠若葉 孝枝
楠若葉でいかにも元気溌剌な生徒が想像できます。そして説明的でなく、
一読、初夏の学校の風景が見えてきます。
どくだみの匂ひ仄かに雨上がり 南行
雨上がりの情景を匂いで表現したところが素晴らしい。
雨上がりの十薬の白い花の咲き乱れた光景が目に浮かびます。
手植えする泥田の水の輝けり 真砂
気持のいい句。現代では手植えする田は棚田か催事の田ぐらいでしょうが、
田植えする姿と見事に晴れ渡った空が見えてきます。
花冷えや柱に残る背比べ 博石
花冷えという季語で背比べをした子供たちがもう大きくなったのが感じられ
ます。柱の傷を見て、幼い頃の自分或いは子供たちの記憶をよみがえらせて
いる作者のちょっと感傷的な心象風景が感じられます。
<並選>
薫風や母校の校歌口ずさみ 孝枝
薫風の爽やかさにふと青春時代を懐かしみ、校歌を口ずさむ。分かります。
春の野にスマホ持ち出し花の名を 良
花を写すと名前が分かるアプリ、便利です。現代の一風景。
路わたるカルガモのごと園児らは 龍彦
可愛らしい風景ですが、カルガモでは大人の鴨も指しますので、カルガモの子
とはっきり書きましょう。
(添削) 路わたる軽鴨(かる)の子に似て園児らは
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兼題「蝸牛(かたつむり)」
【講師選】
生垣や昔は良く見しかたつむり 良
生垣も少なくなりましたが、蝸牛もとんと見かけません。
生垣と蝸牛の取り合わせが懐かしい。
天守閣石垣攻めや蝸牛 真砂
天守閣の石垣を這う蝸牛を見て「石垣攻め」と大げさに表現したところが
面白い。ただ「天守閣石垣」では日本語としてなじまないのでここは上五
を字余りにして「天守閣の」と「の」を入れた方がいいと思います。
(添削) 天守閣の石垣攻めや蝸牛
かたつむり足跡残しかくれんぼ まさ
蝸牛の這った跡を見て、かくれんぼしていると発想したところが素晴らしい。
講評
全体的に説明的な句が少なくなってきました。そして季語に心情や情景を語ら
せる句が多くなってきて、句に奥行が出てきております。次回が楽しみです。
※ 次回の兼題は、「霧」です。
第18回「蘇鉄の会」互選結果 ( )内数字は得票数
兼題「蝸牛」
蝸牛狭庭の主のまだ現れず (4) 孝枝
背に重荷人の人生蝸牛 (1) 博石
雨上がり何処に隠れた蝸牛 (1) 南行
かたつむり足跡残しかくれんぼ (1) まさ
天守閣石垣攻めや蝸牛 (1) 真砂
蝸牛雨後の一途は君の世ぞ 徹
カタツムリ我も迷いて歩みし春を 龍彦
当季雑詠
野球の子透き通る声夏来たる (3) 博石
どくだみの匂ひ仄かに雨上がり (3) 南行
宇宙の理赤く満ちたる夏の月 (3) 真砂
手植えする泥田の水の輝けり (3) 真砂
花冷えや柱に残る背比べ (2) 博石
校庭に生徒整列楠若葉 (2) 孝枝
路わたるカルガモのごと園児らは (2) 龍彦
万緑や紅一点の美しさ (1) まさ
山法師みどりに純白散歩道 (1) 良
これはまあ巨き桑の実石垣に (1) 龍彦
薫風や母校の校歌口ずさみ (1) 孝枝
風に舞う朝陽を浴びて鯉のぼり (1) 南行
庭隅に鉄砲百合のぱんと咲き (1) 真砂
パレスチナ永遠の契りを五月雨 徹
ほうき草コキアと名乗り人気者 良
神苑は緑を違え静もれり 孝枝
到来物今宵は皆と筍飯 徹
時移り草木もみんな衣替え まさ
冬超えて羽化せしアゲハ放ちけり 龍彦
ゆりかもめそっと寄り添い春の川 南行
養花天一日も長く花見酒 まさ
思い出は遠退くばかり月朧 徹
「地獄組」匠の技や山笑ふ 博石
第19回「蘇鉄の会」ご案内
日程:2021年10月2日(土)
御題:兼題「霧」1句及び当季雑詠3句 計4句
選評講師:城下洋二先生
投稿締切:2021年10月2日(土)
投稿方法:兼題1句と当季雑詠3句
講評・選評:WEBにて受付の後、講評・互選結果発表
※メールにて上記締切までに俳句の投稿を受け付けます。
下記メールアドレス迄お送り下さい。
sato-nagashima@coast.ocn.ne.jp
ワード文書でファイル添付又はメールべた打ちでもOK。
「蘇鉄の会」参加申込:上記メールアドレスにお申込み下さい。
年会費:5,000円(振込先は別途ご案内)
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