ホーム > 同窓会 > 俳句同好会 > 2022.04.09 第21回「蘇鉄の会」ご報告及び第22回開催のご案内
(2022/04/11) 担当:長島 公子 (事務局、19期)
俳句同好会 第21回「蘇鉄の会」報告
令和4年4月9日(土)午後12時過ぎより、2年ぶりに「蘇鉄の会」を築地にて開催しました。
今回から、北高30回期卒の新しい会員も1人加わり、久々に賑やかな嬉しい集まりとなりました。
築地の美味しい海産物料理のランチを頂いた後は、マスクを付けての句評会でしたが、久しぶりの楽しい会話のひとときを過ごすことができました。
句会を終えた午後2時過ぎころから1時間余り、築地をわが庭とする宮下幹事長の案内で築地界隈のさくら見物巡り、オオシマザクラ、ウコンザクラ、御室桜などを堪能し、隅田川沿いの散策ロードをゆっくり歩き、この2年間のコロナ自粛で弱りかけた足の鍛錬もすることができました。
今回の参加は、講師を含む投稿者10名、全40句でした。
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(城下先生 投句)
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【選評と講評】 城下洋二 講師
≪兼 題≫
「蛙」
<特選>
悪戯っ子机の上に置く蛙 博石
蛙の句として新鮮な情景を切り取っている。
<並選>
療養所湖面に響く牛カエル 龍彦
ウシガエルの鳴き声は独特で、湖面に響くという表現がぴったりだ。
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≪当季句≫
遊山箱出してうれしや雛荒らし まさ
雛荒らし、遊山箱というローカルな言葉を使い、雛祭の頃の弾んだ
気持ちが生き生きと表現されている。
春愁や首に冷たき首飾り 孝枝
春愁と首飾りの感触の取り合わせがうまい。
風花や荒ぶる海に伊根の宿 南行
舟屋を改造した宿屋なのだろう。風花の舞う日本海の荒ぶる海が
目に浮かぶ。また伊根は浦島伝説の場所なので浦島太郎が帰って
きた時の寒々とした感情と冬の光景が重なってその地名が生きて
いる。
居酒屋に賑はひ還る春の宵 徹
コロナの蔓延防止措置が解除になった現在を過不足なく詠んでいる。
長竿に浮かぶ小舟の寒しじみ 南行
情景が目に浮かぶが、「長竿に浮かぶ」というのは分かりにくいので
長竿で刺しゆく小舟寒しじみ」
としては如何でしょう。
寒鮒の跳ねて波紋の広がりぬ 博石
静かな寒鮒釣りの様子が目に浮かぶ
春雨や枝に真珠の首飾り まさ
春の細かい雨の感じが表現できている。
<添削例>
雨蛙どこに行ったかとんと見ぬ 良
蛙の中で雨蛙と蟇蛙は夏の季語。この句は説明し過ぎなので、
「とんと見ぬ」を削り、雨蛙が見られないことの思いを足した
方がよくなると思う。
(例) 雨蛙どこへ行つたかさびしいぞ
蛙見てこわごわ伸ばす幼い手 小百合
手を伸ばす以上蛙は見えているので「見て」は省くと、
少し散文的ではなくなる。
(例) こはごはと蛙へ伸ばす幼き手
初蛙庭石に乗る夜明けかな 真砂
この並びだと夜明けが主となるので、初蛙を主にした方が句として
すっきりとすると思う
(例) 夜が明けてゆく庭石に初蛙
孫ライン花冷えの日に書店訊く 真砂
「孫ライン」は日本語としてこなれてないので「孫よりのライン」
とはっきり表現すべき。またこの語順だと窮屈な感じがするので、
並び替えてみた。
(例) 書店訊く孫よりのライン桜冷え
第21回「蘇鉄の会」互選結果 ( )内数字は得票数
兼題「蛙」
蛙見てこわごわ伸ばす幼い手 (5) 小百合
雨蛙どこに行ったかとんと見ぬ (1) 良
悪戯っ子机の上に置く蛙 (1) 博石
療養所湖面に響く牛カエル (1) 龍彦
初蛙庭石に乗る夜明けかな (1) 真砂
遠蛙鳴きて懐かし母の家 孝枝
ケロケロと蛙の里は恋しきり 徹
暖かき庭の隅ゆくヒキガエル まさ
うとうとと鮭の面とにらめっこ 南行
当季句
六地蔵赤き前掛け春隣り (3) 博石
早春や鳥のさえづり木々を縫ひ (3) 徹
崖上の白梅蒼天つらぬけり (3) 龍彦
居酒屋に賑はひ還る春の宵 (3) 徹
春愁や肌に冷たき首飾り (3) 孝枝
三月の雪にびっくり指凍る (2) 小百合
院庭に花咲き乱れ天仰ぐ (1) 南行
春近し接ぎ木芽を出す暖かさ (1) 良
雲母坂登り切りたる春遠し (1) 真砂
春雨や枝に真珠の首飾り (1) まさ
寒鮒の跳ねて波紋の広がりぬ (1) 博石
風花や荒ぶる海に伊根の宿 (1) 南行
蒲公英を上から撮影まるでお日さま (1) 小百合
八丈の紬着けたる鶫(つぐみ)かな (1) 博石
大阪場所新風吹けり千秋楽 (1) 龍彦
春の日にひねもすのたり猫寝たり (1) 真砂
すずかけの実ゆれており春の風 龍彦
木々の芽の競いていたり神の森 孝枝
桃過ぎてあっという間に桜過ぎ 小百合
寒さゆえますます美味なり干し大根 良
春一番少女は髪をなびかせて 孝枝
啓蟄の声は聴けどもまだ寒し まさ
桜咲き別れの季節もの悲し 良
訪れは河岸に小舟は花の園 徹
長竿に浮かぶ小舟や寒しじみ 南行
…
第22回「蘇鉄の会」ご案内
日時:2022年7月8日(金)13:00~16:30
御題:兼題「青梅」1句及び当季雑詠3句 計4句
選評講師:城下洋二先生
開催場所:清澄庭園 13:00集合
都営大江戸線・東京メトロ半蔵門線「清澄白河」(E14・Z11)駅下車 徒歩3分
https://www.city.koto.lg.jp/spot/kiyosumi.html
参加費用:昼食代含め4,000円程度
投稿締切:2022年6月28日(火)
投稿方法:兼題1句と当季雑詠3句の計4句
※あらかじめメールにて上記締切までに俳句の投稿を受け付けます。
下記メールアドレス迄お送り下さい。
sato-nagashima@coast.ocn.ne.jp
ワード文書でファイル添付又はメールべた打ちでもOK。
「蘇鉄の会」参加申込:上記メールアドレスにお申込み下さい。
年会費:5,000円(振込先は別途ご案内)
尚尚
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