ホーム > 同窓会 > 俳句同好会 > 2023/01/21 第24回「蘇鉄の会」ご報告及び次回開催ご案内
(2023/01/24) 担当:長島 公子 (事務局、19期)
俳句同好会 第24回「蘇鉄の会」報告
大寒を控えた令和五年一月二十一日(土)、築地にて予定しておりました第24回「蘇鉄の会」は、急遽、複数の会員の都合によりWEB上での開催となりました。
今回の投句参加者9名(含む講師)、投稿句全36句でした。
兼題:「七草」または「七草粥」一句
季題:三句
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子の作る七草粥をたなごころ
目つむれば星降る夜の柚子湯かな
初晴や八幡様の幟旗
まさおなる空より御慶大鴉
令和五年一月
城下洋二
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【選句と選評】 講師 城下洋二
≪兼 題≫
「七草」または「七草粥」一句
<特選>(選者:城下洋二)
七草や畦道あゆむ老夫婦 (作者) 良
(講評)七草粥の若菜を摘みに畦をゆく老夫婦。
情景が良く見え、農村の素朴な慣習が偲ばれる。
<並選>(選者:城下洋二)
七草や数へる指に老いを知る (作者) 龍彦
(講評)昔なら躊躇なく言えたのに七草の名前を指折り数えて いる自分に気付いて、老いを改めて感じたという句意だが、老年世代には「あるある」である。
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≪当季句≫(冬)
初場所や酒酌み交はす友がをり (作者) 南行
(講評)桟敷席でもテレビの前でもよいが、相撲を見ながら友と杯を重ねる幸福をしみじみ感じている。年を取ると一層そう思う。
松代の地下壕出れば冬紅葉 (作者) 龍彦
(講評)松代大本営跡の地下壕、敗戦、強制労働などの暗い記憶から、眼前の平和で鮮やかな冬紅葉、その対比が素晴らしい。
大寒や子犬の散歩朝六時 (作者) 良
(講評)大寒のしかも一日で最も寒い朝の六時の散歩、可愛い子犬のためなら仕方ない。愛情あふれる一句。
年の瀬や日に日に重し朝刊の (作者) 徹
(講評)年の瀬になると新聞がだんだん分厚くなるのを句にしたのであろう。
表現としては倒置法にせず、参考のように素直に表現した方が
無理がない。
(参考)朝刊の日に日に重し年詰まる
友情のなごりのごとき賀状来る (作者) 孝枝
(講評)賀状のみの交流は確かに友情のなごりみたいである。
私は息災確認と思っているが。
母想ふ手向けたきや冬リンゴ (作者) まさ
(講評)句意は明確なのだが、「手向ける」と言えば母を思っていることに
なるのでそこを整理して次のようにした方がすっきりするのではないか。
(参考)手向けけり母の好物冬リンゴ
冬木立空飛ぶ凧を絡め採る (作者) 博石
(講評)凧は春、凧あげは新年と凧はややこしい季語であるが、この場合
冬木立を主たる季語としてとらえたい。
冬木立を擬人化しているところも面白い。
親猫もそつと寄り添ふ冬の朝 (作者) 真砂
(講評)親猫もとあるので作者と子猫そして親猫も寄り添っているのであろう。
寒い朝のほっこりする情景を切り取っている。
第24回「蘇鉄の会」互選結果 ( )内数字は得票数
兼題「七草」または「七草粥」
七草や薺をたたく囃子かな (2) まさ
七草粥七の調べは母譲り (2) 徹
七草や畦道あゆむ老夫婦 (1) 良
七草の名前すらすら口ずさむ (1) 博石
七草や数える指に老いを知る (1) 龍彦
八日にも七草浮かべ澄ましかな (1) 真砂
七草を子は指折りて覚えけり 孝枝
風強し日向で啜る七草粥 南行
当季句
残されし時を惜しむや烏瓜 (3) 博石
初場所や酒酌み交わす友がをり (3) 南行
友情のなごりのごとき賀状来る (3) 孝枝
朝まだき作務衣揃ひてすす払ひ (2) 徹
伊予柑の香り懐かし届きをり (2) 孝枝
正月や子供二人に孫五人 (1) 良
冬木立空飛ぶ凧を絡め採る (1) 博石
年の瀬や日に日に重し朝刊の (1) 徹
紅白の南天活けて福を呼ぶ (1) まさ
セーターの黙をとうして反抗期 (1) 孝枝
元旦の新聞重し初仕事 (1) 博石
親猫もそっと寄り添ふ冬の朝 (1) 真砂
アメ横に掛け声飛びて年越しぞ (1) 徹
大寒や子犬の散歩朝六時 (1) 良
冬空の月と惑星宇宙ショー (1) 龍彦
鴛鴦の番憩ふや皇居濠 (1) 真砂
松代の地下壕出れば冬紅葉 龍彦
駐車場掃いて掃いても落葉かな 良
母想ふ手向けたきや冬リンゴ まさ
小鴨達浮かぶ日向に風そよぐ 南行
祝成人膝前の指乙女さぶ 龍彦
冬鳥の声につられて鼻歌す まさ
ちゃんちゃんこ腹から覗く嬰児かな 南行
散紅葉花舞ふごとき蒼き空 真砂
第25回「蘇鉄の会」ご案内
日時:2023年4月8日(土)11:00~16:00
選評講師:城下洋二先生
御題:兼題「囀り(さえずり)」1句(※下記ご参照)
当季(春)雑詠3句 計4句
投句締切:2023年4月1日(土)
投句方法:当季雑詠3句
※あらかじめメールにて上記締切までに俳句の投稿をお願いします。
下記メールアドレス迄お送り下さい。
sato-nagashima@coast.ocn.ne.jp
ワード文書でファイル添付又はメールべた打ちでもOK。
※ 吟行のご案内
1.兼題:「囀り」
2.場所:調布市深大寺
3.集合場所:JR三鷹駅 中央改札口正面 JRみどりの窓口前
4.集合時間:午前10時50分
5.参加費用:昼食代:約2,000円 年会費:5,000円
「蘇鉄の会」参加を随時受付けています。
上記メールアドレスにお申込み下さい。
年会費:5,000円(振込先は別途ご案内)
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