ホーム > 同窓会 > 俳句同好会 > 2023/10/07 第27回「蘇鉄の会」ご報告&次回第28回開催のご案内
(2023/10/13) 担当:長尾 小百合(事務局・会計担当 30期)
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俳句同好会 第27回「蘇鉄の会」報告
令和五年十月七日(土)
清澄白河駅を起点に、芭蕉の史跡めぐりをしながら吟行を行いました。10月に入ったにもかかわらず、当日は汗ばむような陽気で、急遽「秋麗(あきうらら)」の兼題の枠を外して自由に句を詠むことに。1時間ほどのちに森下文化センターで落ちあい、句会を開きました。
今回の投句参加者10名、当日の句会参加者は7名(含む講師)、投稿句は全40句でした。
吟行(当季雑詠):一句
季題:三句
■城下洋二先生投句
列車待つ支線のホーム赤とんぼ
新豆腐古民家の梁黒々と
アメ横の呼び声太き残暑かな
城下洋二
令和五年十月
【選句と選評】 講師 城下洋二先生
≪当季句≫(秋)
<特選>
初狩か小さき蟷螂忍び来る 真智子
小さな蟷螂が寄ってくるのを、初めての狩りと見立てたところが面白い。
大仏にそぼ降る雨や秋彼岸 博石
秋雨に濡れた大仏を見るとひとしお秋の深まりを感じます。
秋雨や槇の葉先に光る露 南行
槇の葉の細い先のしずくに目を向けたところがいいです。
それで秋雨が荒々しいものでなく小糠雨のような 静かな雨と分かります。
<並選>
桐の花空いつぱいの花火かな 博石
情景は目に浮かぶのですが、桐の花は地味な色で晴れの日も曇りの日も
空に溶けてしまいそうな色なので、
花火のたとえがいいかどうか私には疑問があります。
荒れた田に薄はびこる双葉町 小百合
福島原発事故の後の情景を呼んだのはいいと思います。
ただ薄がはびこった田んぼは荒れた田なので、「荒れた」は不要です。
(参考)田いちめん薄のおおふ双葉町
引き潮に乗りて宮島夏帽子 徹
情景が目に浮かびますが、引き潮に乗るというのは遠ざかるということでしょうか。
秋蝶の影をリードにペタル漕ぐ 真智子
中七の「影をリードに」が分かりにくいので、
素直に「影を追ひつつ」としてはいかがですか。
(参考)秋蝶の影を追ひつつペダル漕ぐ
遊歩道あんな所に曼珠沙華 良
曼珠沙華は突然花茎が伸びて葉より先に花が咲くので、
あんな所にと言った驚きがあります。素直に読んでいるので好感が持てます。
朝六時銀杏ひろい散歩道 良
この句の主役は「散歩道」ではなく「散歩」なので、それを明確にしましょう。
銀杏ひろいをしながらののんびりした散歩なので、
下五を字余りにしてその感じを出すのはいかがでしょう。
(参考)朝六時銀杏ひろひひろひ散歩
ピンク指す秩父の山は蕎麦の花 真砂
蕎麦の花は白が一般的ですが、赤みがかった花もあります。
まだ青々とした秩父の山の一部に蕎麦の花のピンクが
差し色のように見えるという光景は面白いです。
ただ「ピンク指す」はわかりにくいので添削してみました。
(参考)蕎麦の花秩父の山に紅をさし
秋の夜や静かに響く虫の声 まさ
秋と虫が季重なりです。「秋の夜」を参考のようにすると
虫に焦点が当たり、季重なりも避けられます。
(参考)闇深し静かに響く虫の声
喉笑う初値のさんま鮨一貫 南行
さんまの初物のお鮨、いかにもおいしそうです。
ただ「初値のさんま」ではなく初競りのさんまではないでしょうか。
参考のようにするとリズムもよくなります。
(参考)喉笑ふ初競りさんま鮨一貫
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第27回「蘇鉄の会」互選結果 ( )内数字は得票数
吟行による当季雑詠
秋麗ポトンと一つ種の落つ 真智子
秋麗家族総出で栗拾い 良
秋麗や空青々と風は澄む 博石
川辺りの風心地よき秋日向 小百合 (3)
下町の史跡めぐりや秋麗 徹 (1)
秋麗一雨ごとに風涼し まさ
秋麗アゲハ巣立ちて部屋広し 龍彦 (1)
秋涼し想いは巡る芭蕉庵 南行
紅白の萩そよぎたる芭蕉庵 真砂
秋風や川上る船下る船 城下先生(2)
当季句
蟷螂が足先に着地風かすか 真智子 (1)
桐の花空いっぱいの花火かな 博石 (1)
荒れた田に薄はびこる双葉町 小百合 (2)
秋風に吹かれてそよぐ名残花 まさ
療養跡の池のほとりに立ち尽くす 龍彦
薄明り浮かれ夜道の虫の闇 南行
ピンク指す秩父の山は蕎麦の花 真砂 (2)
秋蝶の影をリードにペダル漕ぐ 真智子
曼珠沙華馬頭観音寄添ひて 博石 (1)
葉に影を落とす蜻蛉の羽模様 小百合 (3)
甲子園世紀越へたり夏飾る 徹 (1)
鹿の瞳(め)に映る我らは異邦人 龍彦
喉笑う初値のさんま鮨一貫 南行 (4)
古希超えて伴に花咲く弁慶草 真砂
初狩か小さき蟷螂忍び来る 真智子 (3)
新米や故郷の味懐かしき 良
大仏にそぼ降る雨や秋彼岸 博石 (1)
ビルとビル隙間に野菊の花揺れて 小百合 (1)
夏日射るストの静けさ時遷る 徹
空澄みて色も香りも衣替え まさ (1)
昔むかし肱川颪(おろし)がありしとか 龍彦
秋雨や槇の葉先に光る露 南行 (2)
彼岸花見つけた子らの高き声 真砂 (1)
第28回「蘇鉄の会」ご案内
開催日時:2024年1月13日(土)11:30~16:30
選評講師:城下洋二先生
御題:兼題「外套(コート、オーバーも可)」1句
当季(冬)雑詠3句 計4句
投句締切:2024年1月5日(金)
投句方法:あらかじめメールにて上記締切までに投句をお願いします。
下記メールアドレスまでお送りください。
nagao@work21.co.jp
ワード文書でファイル添付又はメールべた打ちでもOK。
開催場所:懐石ふじ木
〒104-0045 東京都中央区築地7-4-4 サンクレスト築地1F
https://www.fujiki-kaiseki.net/
集合場所:フェリック社
東京都中央区築地3-12-3 WELL 2ビル2階
2024年1月13日(土)11:50集合
当日会費:5,000円(昼食代・会場費含む)
「蘇鉄の会」参加を随時受付けています。
上記メールアドレスにお申込み下さい。
年会費:5,000円(振込先は別途ご案内)
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