ホーム > 同窓会 > 俳句同好会 > 2024/01/13 第28回「蘇鉄の会」ご報告&次回第29回開催のご案内
(2024/01/20) 担当:長尾 小百合(事務局・会計担当 30期)
俳句同好会 第28回「蘇鉄の会」報告
令和六年一月十三日(土)新年会を兼ねて、築地7丁目にある「懐石ふじ木」にて句会を開催しました。きめ細かなおもてなしを受けながら和食の真髄が感じられるお料理をのんびりといただいていたら句会の時間が短くなってしまい後半は聖路加タワーのカフェに移動しての開催となりました。
今回から、家安勝利さん(25回)が仲間に加わってくださり蘇鉄の会が一層賑やかになりそうです。
今回の投句参加者10名(含む講師)、投稿句は全39句でした。
兼題:「外套(コート・オーバーも可)」一句
季題:三句
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【城下洋二先生投句】
賀状書くむかし版画を彫りしこと
鬚ひたし赤子のやうに柚子囲む
人気なき道を浄めて年迎ふ
空見上げ外套の襟立てにけり
城下洋二
令和六年一月
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【選句と選評】 講師 城下洋二
≪兼 題≫「外套(コート・オーバー)」
<特選>
新しき外套纏ひて旅立てり
希望に満ちた新たな旅立ちを想起させる。
<並選>
払ひてもなほ雪降りかかるコートかな
霏々と雪降る情景が目に浮かびます。ただ「雪降りかかる」より 「雪積もる」の方がこの場合ふさわしい気がします。 (参考)払ひてもすぐ雪積もるコートかな
外套を小脇に抱へ右左
外套を着て出たものの、暖冬で、暑さのあまり小脇に抱え、 右往左往したという滑稽な日常の一コマ。
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≪当季句≫(冬)
島陰にのたりと重き冬の海
日陰になった鈍色の冬の海が見えてきます。
よちよちの母の手を取り初薬師
母の健康祈願でしょうか。初薬師の季語が生きています。
冬空を見上ぐ入院のベッドより
低く曇った冬の空を病院のベッドから見上げている作者の 不安な気持ちが端的に表現できている。
遠浅の故郷の海や初日の出
「遠浅」で穏やかな新春の海の情景が目に浮かびます。
鷽替へを待つ木の鳥のとぼけ顔
取り換えられる鷽は誰の手に渡るかわからない、 ひょうひょうとしていないと、やっておれないですね。
添書に賀状仕舞と相和する
最近は賀状仕舞の年賀状が増えてきましたが、 「相和する」は意味が少しずれているように思えます。 ここは単純に「記す」としたほうがいいのではないですか。 (参考)添書に賀状仕舞と記しあり
歳末や夢に夢見る宝くじ
リズムがいいです。正夢になればいいですね。
芝生踏みかすかな音に冬気配
枯芝を踏んだ感触に冬の気配を感じたという繊細な句。 上五の「芝生踏み」ではなく「芝生踏む」と 一回切れを入れたほうがリズムが良くなります。 (参考)芝生踏むかすかな音に冬気配
二階まで香りを寄越す枇杷の花
枇杷の花は芳香を放ちます。 句は「寄越す」と枇杷を擬人化して読んでいますが、 ここは素直に「漂ふ」としたほうがいいと思います。 (参考)二階まで香り漂ふ枇杷の花
第28回「蘇鉄の会」互選結果 ( )内数字は得票数・講師選含む
兼題「外套(コート・オーバー)」
外套よ包め十五の彼を父母失きを (2) 真智子
外套を吊るしたままに温暖化 (1) 博石
払いてもなお雪降りかかるコートかな (2) 小百合
温暖化厚手コートのお蔵入り (2) 徹
すれ違う追い風よういの冬コート (0) まさ
外套を小脇に抱え右左 (1) 南行
オーバーコート着て後姿は父に似て (1) 孝枝
新しき外套纏ひて旅立てり (2) 真砂
外套よゴーゴリ―の風近く来る(初回投句により互選なし)勝利
古外套オペラの帰りに口ずさむ(初回投句により互選なし)勝利
外套や木の芽時にも居残りて (初回投句により互選なし)勝利
当季句
警備員笑顔で帰る師走かな (1) 真智子
二階まで香りを寄越す枇杷の花 (3) 博石
枯木立すきまに遠く山の影 (0) 小百合
おお団扇お堂すっきり煤払い (0) 徹
掛乞いの鈴の音響く歳暮るる (0) まさ
ふわふわの毛布で包むチワワかな (0) 南行
若き日のセーター解きて糸となる (0) 孝枝
白壁に寒椿咲く月あかり (1) 真砂
遠浅の故郷の海や初日の出 (2) 真智子
面白き本に出合いて冬ともし (1) 博石
鷽替えを待つ木の鳥のとぼけ顔 (4) 小百合
添え書きに賀状仕舞と相和する (3) 徹
小春日や我が物顔の縁の猫 (3) まさ
老女曳く吐く息白き子犬かな (1) 南行
セーター着ていつしか少女の乙女さぶ (0) 孝枝
島陰にのたりと重き冬の海 (3) 真砂
シリウスや朽葉の下の息吹かな (0) 真智子
フラメンコ衣装の赤や秋の果て (0) 博石
よちよちの母の手を取り初薬師 (3) 小百合
寿ぐや災禍重なり淑気断つ (2) 徹
歳末や夢に夢見る宝くじ (2) まさ
芝生踏みかすかな音に冬気配 (3) 南行
冬空を見上ぐ入院のベッドより (1) 孝枝
柊の花を飾りて茶を点てる (0) 真砂
第29回「蘇鉄の会」ご案内
開催日時:2024年4月13日(土)12:00~(予定)
選評講師:城下洋二先生
御題:兼題「おぼろ月」または「おぼろ月夜」1句
当季(春)雑詠3句 計4句
投句締切:2024年4月5日(金)
投句方法:兼題1句と当季雑詠3句の計4句
※あらかじめメールにて上記締切までに俳句の投稿をお願いします。
下記メールアドレス迄お送り下さい。
nagao@work21.co.jp
ワード文書でファイル添付又はメールべた打ちでもOK。
開催場所:新宿御苑(予定)
「蘇鉄の会」参加を随時受付けています。
上記メールアドレスにお申込み下さい。
年会費:5,000円(振込先は別途ご案内)
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