ホーム > 同窓会 > 俳句同好会 > 第33回「蘇鉄の会」ご報告&次回第34回開催のご案内
(2025/04/11) 担当:長尾 小百合(事務局・会計担当 30期)
俳句同好会 第33回「蘇鉄の会」報告
令和7年7月6日(日)
調布市の神代植物公園にて春の句会を開催しました。
桜は満開でしたが天気予報は曇りのち雷雨。
少し肌寒い中、ばら園テラスで事前投句の披講・選評を行い
その後、「まだお天気が持ちそうだから」と吟行を開始しました。
園内を歩いていると次第に薄日が差してきて、
気がつけば青空が広がる良いお天気に。
こんな天気予報のハズレ方は大歓迎と、さわやかな気分で帰路につきました。
今回から北斗会会長の浜田純子さん(28回)が仲間に加わってくださり
蘇鉄の会はますますパワーアップ。
今回の投句参加者12名(含む講師)、
投稿句は事前投句33句、吟行句8句、計41句でした。
兼題:「菜の花」一句
季題:「春」三句
…………………………………………………………………………………………
【城下洋二先生投句】
故郷のれんげ菜の花青き麦
虚空へと紙片一片冴え返る
軒先に千々の草花本所春
城下洋二
令和7年4月
【選句と選評】 講師 城下洋二
<特選>
菜の花や線路まっすぐ青い空(博石)
気持ちのいい情景が浮かんできます。
ただ上五を「や」で切っているので、
文語表記で統一してください。
(参考)菜の花や線路まつすぐ青き空
硝子戸に過ぎし日映す雛飾り(小百合)
硝子戸に映る雛飾りを見て幼い日の思い出が
よみがえるという設定が面白いです。
目の前に鳶がつかむ桜鯛(南行)
野生の猛々しい瞬間。このままでもいいのですが、
さらに臨場感を出すと、参考のようになります。
(参考)その瞬間鳶がつかむ桜鯛
ホワイトデー花の雲なる包装紙(真智子)
ホワイトデーのプレゼントの包装紙に着目し、
しかも少し季節を先取りしたところがしゃれていると思います。
きっと素敵なプレゼントだったのでしょう。
<並選>
菜の花や車窓彩る河川敷(小百合)
上五を「や」で切る必要はなく、
むしろ切ると意味が通じにくくなります。
(参考)菜の花の車窓彩る河川敷
菜の花を庭一面に咲かせけり(真砂)
菜の花を愛しているのがよくわかります。
さぞきれいでしょうね。
春がすみ山並みくつきり絵のごとし(まさ)
春霞が山の下の方だけおおい、山並みがくっきりとした景色が
見えます。ただ「絵のごとし」は観念的で常套的な表現なので
避けた方がいいでしょう。
(参考)春がすみあをき稜線くつきりと
芦ノ湖や鱒釣り人が朝六時(良)
情景は分かるのですが、こなれてない感じがするので、
少し語調を整えてみましょう。
(参考)朝まだき鱒釣り人の芦ノ湖に
沢の音に鳥の鳴き声春来たる(徹)
春の来訪を沢の音と鳥の鳴き声で表現したところは
いいとおもいます。春が来たのを沢の音と鳥の声の
二つに感じて作句してますが、焦点を鳥の声に絞るのも一法です。
(参考)春来たる瀬音に混じる鳥の声
閉店の立ち食い蕎麦や春がいく(勝利)
蕎麦屋の閉店と行く春の取り合わせはいいと思いますが、
少し言葉を整理した方がいいと思います。
(参考)行く春や立ち食ひ蕎麦屋閉店に
春宵にふるさと大山火事の悲報かな(龍彦)
時事俳句はいいのですが、
かなり字余りになっているので、整理しましょう。
(参考)春の宵故郷山火事第一報
第33回「蘇鉄の会」互選結果 ( )内数字は得票数・講師選含む
兼題「菜の花」
菜の花や飛行機雲と分かつ空 (4)真智子
菜の花や土手を黄色に染めにけり (0)良
菜の花や線路まっすぐ青い空 (4)博石
菜の花や車窓彩る河川敷 (4)小百合
道すがら菜の花追うや岡の園 (0)徹
菜の花や色と香りで蝶を呼ぶ (0)まさ
河津過ぎ菜の花畑黄色の海 (0)南行
菜の花を庭一面に咲かせけり (1)真砂
季題「春」
花ゆすら長き雄蕊にもぐる羽 (0)真智子
バス停に白満開の辛夷かな (1)良
蛤や朱塗りの椀に主人顔 (5)博石
硝子戸に過ぎし日映す雛飾り (4)小百合
沢の音に鳥の鳴き声春来る (1)徹
春の雪景色は全てモノクロに (1)まさ
目の前に鳶がつかむ桜鯛 (2)南行
朝夕に桜咲いたか見に歩き (0)真砂
幼鳥か花粉にまみれて顔を出し (2)勝利
敗戦の年の春の月 (1)龍彦
ホワイトデー花の雲なる包装紙 (3)真智子
芦ノ湖や鱒釣り人が朝六時 (2)良
小鳥来て白梅散らす朝まだき (0)博石
桜舞う門をくぐりて母見上ぐ (0)小百合
水温む温泉地のインバウンド (0)徹
春がすみ山並みくっきり絵のごとし (1)まさ
草の芽を踏みて軽やか散歩路 (0)南行
薄曇り桜吹雪や訣れの日 (1)真砂
閉店の立ち食い蕎麦や春がいく (3)勝利
春宵にふるさと大山火事の悲報かな (1)龍彦
吟行「神代植物公園にて」
風音や心に花の散り込みて (4)城下先生
噴水に負けじと散らす花吹雪 (0)博石
花冷えの見上ぐる空に雲ひとつ (1)小百合
花冷えは温室園や色の園 (0)徹
春の川水面に浮かぶ花いかだ (1)まさ
満開のそばにひっそり花一輪 (0)南行
花暦春の初めの深大寺 (1)家安
花冷えに出し入れ続くオーバーコート (1)純子
………………………………………………………………………………………………
第34回「蘇鉄の会」ご案内
開催日時:2025年7月12日(土)12:30~
選評講師:城下洋二先生
御 題:兼題「金魚」 1句
当季(夏)雑詠 3句 計4句
投句締切:2025年6月30日(月)
投句方法:兼題1句と当季雑詠3句の計4句
※あらかじめメールにて上記締切までに俳句の投稿をお願いします。
下記メールアドレスまでお送りください。
nagao@work21.co.jp
ワード文書でファイル添付又はメールべた打ちでもOK。
開催場所:小石川後楽園 涵徳亭
参加費用:3000円(お弁当代・会場費等)
コメント
名前 (必須)
メール (必須)※メールアドレスが公開されることはありません
コメントを残す